ネガティブノートのススメ(7) 〜いやなことと自分〜

こんにちは、なおきちです。
前回、ネガティブノートをつけることで、
自分が何に対して「いやだ」と感じているか
「いやだ」という一瞬の感情を深く掘り下げることができる
というメリットのお話をしました。
いやなことを理解できるとはどういうことか、もう少し掘り下げたいと思います。

Contents

自分を理解する

「ネガティブノートなんて書かなくても、自分のことは自分が一番良く知っている」
そんな声が聞こえてきそうです。
本当にそうですか?
出典は忘れてしまいましたが、8秒前の自分と今の自分は違うそうです。
とてもいいアイデアを閃いても忘れてしまいます。
大事なことなら忘れない、といいますが、大事なことを忘れてしまうことはありますよね。
事実は、忘れないようにメモを取ったりリマインダーをセットしたり、記録したり。
何を買ったか忘れないようにレシートを取っておいたり、家計簿をつけたりしますよね。

感情はどうでしょう。
特にいやなことがあったときです。
「人に話すと楽になる」という人がいます。
人に話すために、自分の脳内で再構成して、相手に伝わるように話すからです。
お笑い芸人のヒロシさんは、聞き手を共感させて楽しませるという域に達しているので、より高度ですね。

人に話すために脳内で、意識的にせよ、無意識にせよ再構成して話をします。
話したことで、気持ちが楽になるとその再構成した内容は不要になります。
これを繰り返すとどうなるでしょうか。
いやなことが起きる→いつもの友達に愚痴を言ってすっきりする。
よく見る光景ですね。
しかし状況によっては、会うたびにその友達は、何度も同じ愚痴を聞かされているかもしれません。
振り返っていないので、何の進歩もない愚痴を聞かせるわけです。
もしもあなたが話すことで満足してしまっているなら、その友達は毎回同じアドバイスをあなたにしてくれているかもしれません。

話して楽になることは決して悪いことではないです。
でもそれでは、自分をきちんと理解することもできず、ただただ「いやなこと」を垂れ流しているだけになってしまうこともあります。

事実を記録するだけではなく、「生の感情」も一緒に記録することで、その時の自分をよりよく知ることができます。

いやなことを理解する

自分を理解するために、脳内で再構成してノートに書くことができました。
今、目の前のノートに書いてあるのは、ありのままの今のあなたの気持ちに近いものです。
ありのままではなく、近いものというのは、脳内の状態をそのまま写しとるのは多分とてもむずかしいからです。
釣った魚を記録するために作る、魚拓や写真のクオリティが必要ではないので、スケッチくらいでも大丈夫です。
自分の気持ちを大きく動かしたところ、その周辺が分かればいいのです。

いやなことが起きて、その事実と気持ちをノートにある程度のクオリティでノートに書けました。
少しすっきりしているはずです。
すっきりしていないのであれば、まだ自分の中にくすぶっている「何か」があるはずです。
言語化や、数値化、図示することが難しい内容なのかもしれません。
そんなときは、そのものではなくてもとりあえず書くことです。
書くことで違うと感じれば、その部分を修正すればいいのです。

すっきりしましたか?
すっきりしたら、今日はネガティブノートをとじましょう。
他のことをはじめて、またもやもやしてしまうようなら、再度ネガティブノートに書いていきましょう。
違うページに新しく書きはじめても良いし、同じページに追加してもいいです。
なぜか書き始めるとぐるぐると同じことを書いてしまうときは、同じことを書き続けてもよいです。
また、「なぜ」、「どこに」、「どうなれば」といった問いを自分に投げかけることで、より深く自分の気持ちをかける書けるかもしれません。

「いやなこと」に対する気持ちが治まってきましたか?
今こそ、ネガティブノートを開く時です。
そこに何が書いてありますか?
強い感情を感じますよね。
ひとつひとつ、目で追いながら見なおしてみましょう。
どんな気持ちでしたか。
どんなところに腹が立ちましたか。
腹を立てたのは、「事実」に対してですか。
それとも、相手の「態度」ですか。
「ひと」ですか。
「やりかた」ですか。
「言い方」ですか。
もしかしたら、自分自身の「思い込み」でしたか。

こうして読み返していくと、自分を理解することが、そのまま解決につながるわけではありませんが、対処するようにできることも多いです。
もしも「思い込み」でいやな気持ちになるのであれば、少し冷静になればいやな気持ちになる必要もなくなります。
どこでどのように感じて、どう考えて、いやなことに遭遇したのか。
自分の感情の流れを理解することで、自分の理解が進みます。
理解がすすめば、いやなことがなくなるわけではなく、いやなことに出会っても大丈夫になるはずです。

ネガティブノートをつけていない場合はどうでしょう。
「いやなこと」に対する感情が薄れればそれっきりになります。
同じようなことが起きても「また」いやなことがある、という感情に振り回されるのです。
でも、今のあなたは大丈夫です。

テスト前日のあなた

いやなことの定番、テストを例にしてみましょう。
テスト前日は、いやな気持ちになる方は多いのではないでしょうか。

テスト前日につらい気持ちになる。
明日のテストが嫌だな、と毎回感じる。
とはいえ、テスト前日のつらい気持ちをテストが終わると人間は忘れてしまいます。
そして、次のテストのときに同じようにつらい思いをします。

テスト前日にそんなことをノートに書く時間的な余裕はないかもしれません。
もしそうなら、時間を10分と区切って書いてみましょう。
もやもやしたまま勉強するよりも、気持ちが少しでもすっきりすれば効率が上がるかもしれません。
どんなことを書きますか?
「もっと早く勉強をすればいいと思った」
「苦手教科は早めに対策をしておけばよかった」
等々、無責任に反省点が出るはずです。
テストの結果をもらった後に、そのノートを見直しましょう。
前日の切羽詰まった自分から、次のテストに向けての希望が聞けるかもしれません。
次回のテストのときに、その反省点を活かせると一番いいと思います。
反省点が活かせなくても、毎回テスト前はつらい気持ちになることを、知ることはできます。
つらい気持ちをやわらげるためにどうしたらいいのか、テストが終わって時間のあるときに向き合えるといいかな、と思います。

まとめ

どうですか。
ネガティブノートを書いてみようかな、と少しでも思ってもらえると幸いです。
自分を理解して、対処できるようになれば、少し楽になりますよね。
次回は、いやなことを予見する話をしたいと思います。

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