タクシーに逃げられた

essay

政令指定都市から、地元に帰ってきた時の話。
電車で30分くらいなものですけど。

都市部は、タクシーがあふれている。
地元はそんなに都会ではないので、タクシー乗り場で待つタクシーは多くても3台、いなければ10人程度は列を成すことすらある。
列には誰もいなかったので、タクシーが1台いたこともあり、これはすぐに帰れるかな、と思っていました。
列に入る少し前に、走って来た人が私の前に並んだので、2番目かな、とちょっぴり憤り。
でも自分が急いでいたなら最初から走ればいいので、と考え直し、気持ちを落ち着けることができました。

停まっていたタクシーは、乗り場よりも少し前にいたので、なんでプロフェッショナルドライバーが、と思っていました。
通常のタクシーどおり、後部座席があいていたので、私を追い抜いたおじさんは意気揚々と乗り込もうとしました。
おじさん、タクシーから2.3メートル手前。
タクシー前方から、見知らぬお兄さんがやってくると、停まっていたタクシーに乗って、そのままタクシーは発進しました。
乗り損なったおじさんは怒りを爆発させ、ウィニングサッカーパーフェクトイレブンで反則された時の反応(現役を退いてだいぶ経つので、今はどう怒りを表現するのか知りません)や、林先生の今でしょの動きを繰り返す。
おじさんは、走り去ったタクシーを追いかけるのかと思いきや、うしろからやってきたタクシーの運転手にアピール。
埒があかない、と感じたおじさんは出て行ったタクシーを追いかけた。

私は、というと、アピールされていたタクシーの運転手に目をやって乗れと促された。
「乗っていいのか」と聞くと、良いと。

まず、お兄さんは、気持ちが悪くてトイレから出てきたのだと思う。なので、前のタクシーは前にずれてた。
なんなら、乗車チェックがされていたのかもしれない。

そしておそらく、うしろのタクシーは、トラブルになりそうな人を乗せたくない。
そりゃそうだ。

乗れなかったのは不運かもしれない。
でも、そのタクシーに乗らなくても、そこに乗れるタクシーがあれば乗ればいいのに。

客観的に見ればわかることでも、その場で、その状況で考えると、目的と違う方に向かってしまうことはままある。
気をつけよう。

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