寒い日の朝には

essay
寝てる猫

僕は、意志が強くない。

だから、暖かい布団から出るのは容易ではない。

気合いと根性はある程度有効だが、それだけでは意志力を消耗し、継続するのは難しい。

部屋を暖かくする、早く寝る、こうしたことはハードルを下げてくれる。

でも、布団の中は極楽で、外は地獄なのは変わらない。

よしんば外が地獄でなかったとしても、少なくとも天国ではない。

部屋を暖めても、布団の中の温もりにはかなわない。

早く寝て、睡眠時間が十分だったとしても、布団の中でぬくぬくと過ごしたい。

こう考えてはどうだろう。

布団の中が天国だから、外に出たくないのだと。
ならば、布団の中が天国でなくなればいいのだ。

布団を1枚減らしてみる。
マットレスを固いものに変えてみる。
枕を座りの悪いものに変える。

こうした工夫は、確実に布団の中の環境を悪くし、睡眠のクオリティを下げる。
そうすればきっと、今よりも布団から出やすくなるのではなかろうか。

睡眠時間が6時間だったとして、1日の約1/4。
人生の1/4をあえて辛い環境に身を置くことで、残り3/4の時間を、相対的に快適にする。

そうすれば、朝起きやすくなるのではなかろうか。
朝、布団から出やすくすることは、早起きに繋がるし、無駄な時間を減らすことにも繋がる。
睡眠環境を改悪することで、人生が豊かになるのだ。

でも、意志の弱い僕はこう思う。

布団の中の環境は、快適な方がいい。天国なら問題ない。
もし、その天国から出て、地獄で戦おうと布団を出ることができたなら。
僕は、僕の意志を褒め称えようと思う。

何より、ただ一度布団から出ること。
それだけで、布団から出られる。
いいわけや理由は何も生まない。

ただやること。

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